試合実況考察

第18節 香川 vs 豊田合成 Game1

スタメン

木村足立ママドゥラベネルダマ

1Q

10:00 香川
Post - Rip
- Post Iso

ラベネル木村Ripを見送って、ラベネルDS待機のダマPost Up。
フック成功。

DSの相手外国籍は2-3Zone Shiftせずに、DSのラベネルにつきっきりだった。
だから、この場面ではペイントアタックしなかったが、スペーシングに問題はなかった。


9:18 香川
Flex Post

Wingでボールを持つラベネルを捨てて、FlexでPost Entryするダマを大警戒。
なぜかワイドオープンにされているラベネルは余裕のプルアップスリー成功。


DREBから相手のTag Upミスにつけこんでダマがボールプッシュ。
合わせてRim Runしていたラベネルのレイアップ成功。


8:30 香川
Horns Rip - DHO Thru
- Top Iso

ダマ木村Ripを見送って、木村ラベネルDHOだったが、Fight Overがきつくてスルー。
ダマDS待機のラベネルTop Isoになり、ジャブステップから3pt成功。

ラベネルが3ptラインでプレーしているのは良い傾向。


7:48 香川
Zone Attack

前衛のギャップでパスを受けたラベネル、3連続3pt成功。

NailギャップではなくTopに立つことで、前衛との強制MUMが実現できる。
この場面、一応前衛がラベネルにマッチアップしていたが、相当ハードにプレッシャーをかけないかぎり、サイズのミスマッチは補えない。


7:14 香川
Zone Attack

ラベネルNail、ダマDSの配置。
強制MUMしたラベネルがスキップパスでサイドチェンジ。
もともとOverloadが発生していたサイドまで、再びボールが回ってきてダマのコーナースリー失敗。

ラベネルの強制MUMに対して豊田合成はM2M化できていないから、Overloadが簡単に発生する。
ダマがなぜDSからCornerに開いてしまったのかはよく分からないが、Def的にこのようなワイドオープンはたくさん作れそう。
強制MUMとOverloadの相性の良さ。
M2M化しないとOverload絶対に止められないし、M2M化したとしてもMUMがあることに変わりはないっていう。


6:36 香川
Zone Attack

ダマラベネル2人ともDS配置。
ガード3人がTopと両Wingでボールムーブ。
DSからダマがFlashでパスを受けて1on1でファールドロー。

Flashの際に、マッチアップしていた後衛サイドがそのままダマと一緒にNailまで来た。
後衛中央に受け渡さないという点で岐阜と似ている対応。


6:20 香川
Zone Attack

ラベネルダマ2人ともDSの配置。
ラベネルがDSからNailにFlashしてパスを受ける。
ギャップに立ったため前衛中央を起点にM2M化されるが、個の質で圧倒してレイアップ成功。

今度はFlashを後衛サイドが追わずに、後衛中央に受け渡した。
チームとしてのルールが定まっていないのか、ダマとラベネルで対応を変えるルールなのか。
香川のOffというより、豊田合成のDefを見極める1Q前半。


5:50 香川
Zone Attack (PnR)

足立ダマSide PnR。
バックチップされてTOV。

PnRでのZone Attackは、東京Z戦でストックマンJr.にはやらせていた。
逆に言うと、その他のHandlerではやっていなかった。
今節からPnR導入?


DREBからプッシュしたダマがハンドリングミスでTOV。
ダマがプッシュするのは、Tag Upミスがあった時だけでいいよ。


5:16 香川
Zone Attack

ラベネルTop、ダマDSの適材適所。
ラベネルがTopで前衛に対して強制MUM。
サイズのミスマッチを活かしたジャンパーをあっさり成功。

強制MUMが見られて嬉しいぞ。


ランダルダマの組み合わせ。


4:42 香川
Zone Attack

ランダルNail、ダマDSの配置。
ランダルは強制MUMを狙っていたが、Wingの松井がDSのダマにパスしたためM2M化される。
松井ダマEmpty DHOでShort Roll Feedを受けたダマがTOV。

DS落とす→NailからDiveってのは、Wingに後衛サイド、DSに後衛中央がマークしてきているときに効果的なパターンだと思う。
今はずっとWingに前衛、DSに後衛サイドだから、NailからのDiveは後衛中央に完全に吸収される。


4:20 香川
Zone Attack

見慣れないことをやろうとしてTOV。
よく分からなかったから特に書かない。


3:42 香川
Zone Attack

ランダルNail、ダマDSの配置。
後衛中央を起点にM2M化される。
Nail経由のサイドチェンジでのママドゥ3ptは失敗。
OREB後にファール獲得。


3:17 香川
Zone Attack

DSに落としてNailからDiveするパターン。
Rotationで対応されるが、キックアウトした先の松井が3pt成功。

今回は、Wingに後衛サイド、DSに後衛中央がマークしてくれていたため、DS落としとNailからのDiveが効果的な状況だった。
Diveを別の後衛サイドがRotationするところまではDefにうまく対応されたが、それによるカオスで松井の警戒が弱まる瞬間があった。


2:42 香川
Zone Attack

ランダルTop、ダマDSの配置。
ランダルが強制MUM準備を整える中、ストックマンJr.と松井のパス交換とギャップドライブで松井の3pt。
ショットは失敗。

ランダルの存在によってストックマンJr.と松井が自由にパスとドライブできた、と捉えられる?


ランダルラベネルの組み合わせ。


2:13 香川
Zone Attack

ランダルNail、ラベネルDSの配置。
DS→Dive from Nailのパターンを狙う。
1回目はM2M化されてDiveできず、サイドチェンジして2回目へ。
2回目はDSを後衛サイドと後衛中央のどちらがマークするか手間取ったのを見てNailのランダルがパスを受ける。
前衛の引きつけてWeak WingのストックマンJr.のワイドオープンスリーを演出するもショットは失敗。

DSを狙ってDefの重心をベースライン側に寄せることでNailでの強制MUMが狙いやすくなる、と解釈することもできる。
あと、サイドチェンジでマークの際のヒューマンエラーを期待するのも戦術的な狙いと言えるか。


1:30 香川
Zone Attack (PnR)

ランダルDS待機で上良ラベネルEmpty PnR。
前衛を十分に引きつけないまま上良がキックアウトしたため仕切り直し。
Elbowのギャップでランダルがパスを受けてキックアウトし、ストックマンJr.のカウンタードライブ。
合わせたラベネルのレイアップ成功。

二次攻撃で豊田合成のZoneが崩壊している。
仕切り直しでとりあえずElbowにボール入れてみるか、っていうパスがキラーパスになっている。


0:53 香川
Zone Attack

ランダルTop、ラベネルDSの配置。
ランダル強制MUMでパスを受け、前衛とのIso。
豊田合成がM2M化してこないため、Weak SideでOverload発生。
スキップパスをもらったストックマンJr.の3pt成功。

豊田合成のM2M化するタイミングが悪いから、オフェンスが簡単。


1Q終了
香川 25 - 14 豊田合成

2Q

9:42 香川
Zone Attack

ランダルNail、ラベネルDSの配置。
ランダルはいつでも強制MUMできる状況だったが、ランダルには入れずにTopと両Wingでひたすらボールムーブ。
頃を見てラベネルにパスして、ラベネルのジャンパー失敗。


8:50 香川
Zone Attack

ラベネルTop、ランダルDSの配置。
強制MUMしたラベネルのIso失敗。

松井には、WingからDriftして後衛サイドをCornerで釘付けにしてほしいところだったが、真逆のSlot方向への動きを見せる。
それによって後衛サイドをラベネルの近くに連れてくる形となった。
つまり1on1が少し手詰まりになったラベネルへのレスキューとしては、寄って来すぎな感じ。
近づきすぎたから、松井が一旦預かって再びラベネルにパス、の選択肢が消滅したのが残念。


ランダルムンホラベネルの組み合わせ。


8:20 香川
Zone Attack

ランダルNail、ラベネルDSの配置。
ランダルがNailからWingにPopするのに合わせてM2M化される。
チャンスを見出せないまま、ランダルのプルアップスリー失敗。

ムンホ投入で、ムンホWing、松井ストックマンJr.が両Slotの配置をとったため、前衛に対して数的優位を作れず、M2M化されやすかった。
強制MUMしなかったからね。


7:42 香川
Zone Attack

ランダルNail、ムンホDS、ラベネルWingの配置。
ランダル強制MUMでパスを受けてIso。
Def引きつけてムンホラベネルへとパスが渡り3pt成功。

↑の変な配置が整理された。
ラベネルがWing StretchすることでTopと両Wingによる前衛への3on2を実現。
さらに強制MUMでそのアドバンテージを大きくしたことで、チャンスが大きくなった。


7:00 香川
Zone Attack (PnR)

ラベネルWing Stretch、ムンホStrong Corner Stretchで、ストックマンJr.ランダルHigh PnP。
Popしたランダルが後衛中央と逆前衛を引きつけてエクストラパス。
ラベネルワイドオープンの3pt成功。

初めからTopのポジショニングで強制MUMするパターンではなく、PopでTopに出るパターン。
スクリーンを活用したZone Attackならでは。


6:20 香川
Zone Attack

ランダルTop、ムンホDS、ラベネルWingの配置。
ランダル強制MUMのIsoからWingに展開。
クローズアウトは間に合ったものの、今度はラベネルが強制MUMのIso。
ラベネルドライブレイアップでFT獲得。

ムンホをインサイドに配置することにより、ランダルとラベネルが同時に3ptラインで強制MUMを狙える構造。
これはすごく良いね。


5:33 香川
Zone Attack (PnR)

上良ムンホEmpty PnR。
DSからFlashしたラベネルがElbowギャップでパスをもらってジャンパー成功。

ムンホにインサイド役を任せることで、ランダルラベネルがスコアリングに専念できている。
良い役割分担。


DREBからプッシュ。
上良の3pt成功でオフィシャルタイムアウト。


4:25 香川
Zone Attack

FloppyっぽいATOデザイン。
それにDefの意識が向いてWingでオープンになったムンホ。
パスをもらっての3ptは失敗。


4:00 香川
Zone Attack

FloppyっぽいATOデザイン。
ランダルTop、ラベネルNail、ムンホWingの配置に帰着。
Wingギャップでパスを受けた上良の3pt失敗。


ランダルムンホダマの組み合わせ。


3:25 香川
Zone Attack

ランダルTop、ムンホNail、ダマDSの配置。
ランダルが前衛2人を引きつけて両Wingにボールを振る。
DSに落としてダマのフローター失敗。
OREBの際にファール獲得。

ランダルがもっと自分で仕掛けていい。
Nailのムンホ含めた2人が、前衛2人で守られてしまっている。
つまりどちらのサイドにパスを振っても、2on2か1on2になってOverloadが発生しない。
ランダルがNailにいる場合は、ランダルの引力で後衛中央をある程度釘付けにできるからOverloadできるけどっていう。


BLOB。
前衛とのサイズ差を活かしてムンホの3pt成功。


スティールから速攻。
ママドゥのクリアアウトを使ってランダルレイアップ成功。


2:15 香川
Zone Attack

ランダルTop、ダマNail、ムンホDSの配置。
Top、Nail、DSのセンターラインでDefを完全に縛り付けたことで、ママドゥが簡単にワイドオープン。
ママドゥの3pt成功。

豊田合成のZoneの質。
後衛サイドと前衛のどちらがWingを見るか、のコミュニケーションミス。


1:42 香川
Zone Attack (PnR)

ムンホCorner StretchでランダルダマHigh PnR。
前衛同士のギャップへ導くダマのスクリーンを利用するランダルが、前衛と後衛中央を引きつけてキックアウト。
Wingでパスをもらったママドゥのワイドオープンスリーは失敗。

ランダルが仕掛けるから強い引力が発生して、2人で3人のDefを集められる。
だからサイドにパスしたときに2on1の数的優位が発生する。


ランダルダマの組み合わせ。


1:00 香川
Zone Attack

ATOのデザイン。
何がしたいのか全然分からなかった。
たぶん、↑と同じように、ダマのスクリーンでランダルが前衛同士のギャップを割っていきたかったんだと思う。
でもランダルをメインでマークしていない方の前衛にダマがスクリーンしていたから、ドライブできずに手詰まりになった、ように見えた。


0:25 香川
Zone Attack

Topのランダルにダマがスクリーンをかけにいく。
と思わせてWingにパスするランダル。
パスが出たサイドのCornerに向かってDSから移動する松井。
Overloadを信じて松井にパスする木村。
ただ、松井のCornerへの移動時間とDefの対応に要する時間が全く一緒だったため、Overloadにはならず。
リターンパスを受けた木村がファールされて、仕切り直し。


ランダルブザービーター。


2Q終了
香川 48 - 33 豊田合成

3Q

10:00 香川
Zone Attack (PnR)

ラベネルCorner StretchでTopで木村ダマStep-Up PnP。
Popしたダマがパスをもらって強制MUM発生。
ドライブレイアップでエンドワン獲得。

ダマはNailでのスキルを持っているタイプのプレイヤーではないが、強制MUMの状況を活かしてゴリ押しドライブを成功させた。
PopするダマはDefにとって脅威ではないが、それにしてもフィジカル差が大きすぎたって感じ。


9:34 香川
Zone Attack (PnR)

ラベネルCorner Stretchで、Topで木村ダマStep-Up PnR。
木村ダマともにNailに侵入するも、後衛中央に対応されてタフショット失敗。

木村がドライブでチャンスを作りきれなかった場面。
Handler前の位置関係を作るにはダマへのパスが早すぎたし、ドライブを止める位置はダマのDiveコースと被っていた。


昨季、兒玉や久岡にも思っていたことだが、小柄な日本人HandlerがDropに対してHandler前の位置関係を作ってPnRを進行させるのは得策ではない。
DropのテリトリーでHandlerが引力を発揮することが前提となる位置関係だし、それを実現するのは至難の業。
だから、Handler後ろ、Screener前の位置関係を意識的に作った方がうまくいくと思うなあ。
Jailの意識を強く持たないと、Handler前もしくは横並びの位置関係になりがちだからしょうがないんだけども。


9:02 香川
Zone Attack (PnP)

同じ配置で、Topから木村ダマStep-Up PnP。
Fight Overされてギャップに侵入できず、Pop Feed。
強制MUMとは言えない曖昧な対応をされたダマが、Overloadのない右サイドへのスキップパス。
ママドゥがシンプル1on1でドライブからタフショット失敗。

3Q 10:00のようにダマが強制MUMからIsoすることはなく、簡単にパスを出してしまった。
それもOverloadが若干あった左サイドではなく、一切なかった右サイドに。
そういう判断面からも、ダマにPopさせるのは好ましくない感じがする。
これがランダルラベネルであれば、Pop自体に引力があるし、M2M化されたら御の字で1on1できるし、そこからのキックアウトは特にランダルなら期待できる。


PnRでのZone Attackにおける適材適所はおそらく、ダマDS待機のママドゥ足立Corner配置の、木村ラベネルPnP。
このデザインだとDefは前衛が1人誰もマークせず余るから、ラベネルのPopはその前衛が対応することになり、それによって強制MUMが発生する。
また、Handler前の位置関係で木村がNailに侵入したら後衛中央のテリトリーに入ることになるが、この配置だとダマがDS待機しているため、木村ダマのペアで考えれば、後衛中央に対してHandler後ろの位置関係を作っていることになり、Handlerのスキルと特性的にも判断が簡単になる。


8:20 香川
Zone Attack (PnP)

ダマDS待機で木村ラベネルPnP。
Nailに侵入した木村のキックアウトを受けて、足立3pt失敗。

↑で書いた適材適所の配置を書いたそばからやってくれて感激。
ラベネルPopはHandler's Dの前衛がLate Switch的に対応。
後衛中央はDSのダマにつきっきり。
ダマDS待機により、後衛中央に対してHandler後ろの位置関係を作ったのと同等の効果が得られた。
よって、木村のドライブは、余っていた前衛と後衛サイドがふらふらとヘルプすることに。
その結果、Cornerの足立がワイドオープンになった。
ダマPopより絶対こっちの方が良い。


DREBからプッシュ。
Zoneが出来上がる前にスキップパスを飛ばし、ママドゥコーナースリー成功。


7:20 香川
Zone Attack

ダマDS、ラベネルCornerの配置。
TopとWingでパス交換して、木村の3pt失敗。

ダマとラベネルで後衛サイドを2人とも釘付けにして、後衛中央を余らせた。
それによって前衛2人に対してTopと両Wingで3on2を作り、オープンの3ptが生まれた。
ラベネルダマがまったくボールを触らずにポゼッションを終える役割分担であることは気になるが、プレーの構造自体は合理的だし、実際に数的優位を活かしたオープンを作れているからGood Shotか。


DREBからプッシュ。
ママドゥトランジションスリー失敗。

ママドゥのシュートフォームはSweep & Swayが発現するタイプではない。
だからこういう「まあまあな速度で走って止まってすぐに打つ」状況だと、本来のフォームとの乖離が生まれて精度が落ちやすい。


6:41 香川
Zone Attack (PnR)

3Q冒頭と同じ配置。
ラベネルCorner Stretchで足立ダマStep-Up PnR。
PnRは横並びの位置関係になり、もう1人の前衛のStuntを見てキックアウトするが対応される。
最終的に、CornerからSlotにLiftしたラベネルが強制MUMでの1on1を仕掛けたところを起点に、パスが回ってラベネルダンク成功。

Handler後ろの位置関係を作らないと、やはりこうなるのさ。
8:20以外の3QのPnRポゼッションは全部この配置。
この配置は完全にM2M化してもらうための配置だから、純粋にPnRの質が試される。
そこで横並びの位置関係になっちゃうんだから、良くない。
選手の特性を鑑みて、3Q 8:20の配置でやってほしいと思う。

今回は足立だったからよく分かんないけど、木村はJail結構うまいイメージあるから、木村HandlerならHandler後ろの位置関係は作れると思う。
だから構造とポイントをベンチが伝えられるか、もしくは木村が自力で気づけるかどうか。


5:52 香川
Zone Attack

ダマDS待機でラベネルPost Up。
DSでDefの視界から外れたダマがパスを受けてダンクの際にファール獲得。

ダマNail、ラベネルDSの配置で、DS落とし→NailからのDiveのパターンっぽくもあった。


5:17 香川
Zone Attack (PnR)

ラベネルCorner StretchでストックマンJr.ダマStep-Up PnR。
Fight OverでPnRを無効化され、何も起こせないままパスを選択。
パスを受けた木村のドライブにDiveで合わせたダマが後衛中央に捕まってTOV。

HandlerがストックマンJr.になって、どんな位置関係でPnRするか期待したが、そもそもダマのスクリーンセットを待ちきれずにプレー開始してしまい、Fight Overされてしまった。


ZoneをZone Attackで崩すのではなく、ZoneをM2Mと捉えて通常のPnRで崩していこうとしているのは、今のところうまくいっていないけれど、好感は持てる。
強制MUMのアイデアが明確にあるわけではなさそうで、めぼしいZone Attackが他に見つかっていないから、考え方を変えて香川なりのうまくいく方法を探っているというのが伝わってくる。


4:32 香川
Zone Attack

ラベネルTop、ダマDSの配置。
ラベネル強制MUMでIso。
ドライブでファール獲得。

PnR中心のZone Attackが微妙な中、強制MUMの威力はやはり抜群。
また、DS置かないPnRの失敗を5回見た後ということもあって、ダマDS待機で後衛中央のRim Protectionに一定の制限をかける効果も改めて実感。


DS待機のPost Upは、PostとDSの距離が近すぎてPostへのRim ProtectionとDSのマーク(Weak CornerからのRotation含めて)の両立が簡単だから好ましくないけど、Topの3ptライン周辺からのドライブは、Defがヘルプとマークを両立できない十分な距離があるし、Rotationに対しては両サイドにパスを振れる脅威を持つ(=ヘルプ行く際に自分のマークをRotationで補ってくれる当てがない)から、Defに与えるプレッシャーとそこから起きる現象が全然違う。


4:20 香川
Zone Attack

ラベネルNail、ダマDSの配置。
ラベネル強制MUMでIso。
豊田合成のM2M化のミスによりOverloadが発生。
ワイドオープンの木村がパスを受けて3ptを放つが失敗。
ただ、ダマがプットバック。

豊田合成の二次攻撃への対応での受け渡しミスは、前半から目立つ。


3:41 香川
Zone Attack (PnR)

ラベネルStrong Corner Stretchで、松井ダマCorner Filled PnR。
前衛のギャップで松井のプルアップスリー成功。

3pt打ちたい特性を持つ松井は、プルアップスリーを放つために、自然とHandler後ろになるようなスクリーンの使い方をした。
そのときに何が起こるかというと、もう1人の前衛のヘルプを引きつける現象が発生する。
もし松井もNailに侵入して後衛中央のテリトリーに吸い込まれていれば、他のDefの注目を集められることはなかったはず。
でもここではそうせずに、3ptラインで減速したから、松井の引力によって前衛のヘルプを引きつけることができた。

PnRの最大の効果は、HandlerとScreenerの引力によってヘルプを引きつけ、それによって味方のオープンを演出すること、にあると思っている。
だから、Bリーグの環境的にそれを実現しやすいHandler後ろの位置関係を作ってほしいし、今回の松井はそれができていてすごくよかった。
おそらく同じプレーをもう一度やった場合、今度は松井へのヘルプがさらにハードになるため、Weak Wingがワイドオープンでパスをもらえるはず。
こういう感じでPnRをきっかけに作ったズレが5人全員に波及していくと最高。


3:08 香川
Zone Attack (PnP)

ストックマンJr.がStrong Corner Stretch、ラベネルStrong DS配置。
不思議な配置で松井ダマCorner Filled PnP。
スクリーンはFight Overで無効化され、ダマはPopしたためSwitch的に前衛が対応される。
ダマだから強制MUMとは言えないため、ただM2M化されてしまった状況。
チャンスを作れないまま、ダマのフローター失敗。

同じプレーをもう一度やれば前衛のヘルプをより引きつけられる、と書いたが、正解はFight Overの意識を強めてくるだった。
松井はDefを押し込んでからスクリーンを使うときと、やらずにスクリーンを使う時がある。
今回は残念ながら後者だったため、Fight Overされてしまった。
また、ダマが再びPopした。
3Q 10:00では1on1で打開できたが、やはり本来はそのスキルを持つタイプではないため、目の前にvs Smallがあっても活かせない。
ラベネルとダマの配置が逆であれば、このポゼッションの展開は全然違った。
適材適所ができていない場面が多い3Q。

あえてM2M化させているが、そのM2Mへのオフェンスの考え方が、10月あたりのシーズン序盤で未熟だった頃にまで戻ってしまっている。


DREBからプッシュ。
あわててZoneを組むDefに対して成り行きでパスを回す中でTOV。


2:10 香川
Zone Attack

ラベネルTop、ダマDSの配置。
ラベネル強制MUMではなくWingの松井にパスが渡り、3pt失敗。
ただ、強制MUM済みのラベネルがOREBに飛び込んで見事獲得し、FTに繋げた。

強制MUMは正義。さすがに。


ランダルラベネルの組み合わせ。


1:31 香川
Zone Attack

ランダルNail、ラベネルDSの配置。
ランダル強制MUMで前衛2人を引きつけてWingに展開。
ストックマンJr.のギャップドライブから、ランダルにリターンパス。
ここでランダルがワイドオープンでのショットをためらってしまい、チャンスが消滅。
ただ、再びパスを受けたストックマンJr.がタフスリーを決めた。

意図的に使っているのかは不透明だが、強制MUMの威力はやはりめちゃくちゃ高い。
そこにランダルがいて、そこにパスを入れるだけで、決定的なチャンスが生まれる。


ママドゥも上良も4ファール。
なぜか末廣のプレータイムが今日はない。


0:30 香川
Zone Attack

特別なことをやろうとすると、わけわかんなくなる。
たぶん、モーセの海割りをやろうとしたっぽいけど、ランダルとラベネルのスクリーンセットのタイミングがばらばらすぎて不発に終わった感じ。


3Q終了
香川 67 - 48 豊田合成

4Q

9:37 香川
Zone Attack

ランダルNail、ラベネルDSの配置。
強制MUMしたランダルからCornerにスキップパス。
CornerのストックマンJr.からDSへのパスがTOV。

スキップパスに合わせてM2M化したから、ストックマンJr.はリターンしてもう1回ランダル強制MUMに繋げるのが良かったなって場面。
そのランダルは、後衛中央がDSのラベネルを捨ててかなりNail寄りのポジショニングをしていたから、後衛サイドに対してCornerとDSのどっちにパスするかの駆け引きを入れた上でスキップパス出せていればベストだった。


9:17 香川
Zone Attack

ランダルTop、ラベネルDSの配置。
ボールを運んできたランダルがそのまま前衛の間を割るドライブを見せて前衛2人を引きつけてキックアウト。
キックアウト先のWingには後衛サイドが出たため、DS落とし→NailからのDiveのパターン確定演出みたいな状況。
ただ、ラベネルはランダルのDiveを見送り、Topにパス。
DefのM2M化ができないうちにエクストラパスが出て、ママドゥの3pt失敗。


DREBからプッシュ。
松井のトランジションスリー失敗。


8:18 香川
Zone Attack

ランダルTop、ラベネルDSの配置。
↑同様、ランダルが前衛2人を引きつけてラベネルとは逆サイドのWingにパス。
そこからCorner落とし→NailからのDiveで、さらにキックアウト。
ストックマンJr.の3pt失敗。

豊田合成はどの程度前衛が引きつけられたらWingを後衛サイドが見るようにするのか、というルール設定がずっと甘い印象。
だからこの場面も、ランダルからパスを受けたWingに前衛と後衛サイドが2人行く瞬間があったため、Dive後にRotationが間に合わずワイドオープンを与えることになっていた。
こういうミスを誘発できるから、テンポよくオフェンスを開始するのが、Zone Attackにおける最初の取り組みかも。


ストックマンJr.の安易なTOV。


ランダルダマの組み合わせ。


7:37 香川
Zone Attack

ランダルNail、ダマDSの配置。
ランダル強制MUMで前衛をロック。
DS落とし→NailからのDiveを見せてボールムーブ。
ストックマンJr.のギャップドライブ。

強制MUMによる前衛ロックで、DS落とし→NailからのDiveのパターンに入れる。
ただ、このパターンの根本的な課題として、Diveを逆側の後衛サイドのRotationで対応されたときに、DSからWeak WingもしくはTopへと的確なスキップパスが出せるかどうかの問題がある。
この場面はダマのパスの受け方的に、「逆側の後衛サイドの反応次第でパスの出し先を決めるんだ」という意思は感じられなかった。
他の場面でも、DSからのパスが的確に出たような記憶はないから、高い質でRotationからM2M化できるチームに対しては、ただ時間を費やすだけのパターンになりそうな気がしてならない。


ランダルムンホダマの組み合わせ。


6:28 香川
Zone Attack

前衛のギャップにランダルが突進。
その勢いのまま後衛中央も弾き飛ばしてエンドワン獲得。

DREBからテンポよくオフェンス開始することの効果は非常に高い。
Zoneが組みきらないうちに攻めきる意識。


DREBからプッシュ。
Defが整わないうちにダマドライブレイアップでエンドワン獲得。

これもZoneを組まれる前に仕掛ける積極性がもたらしたエンドワン。


5:10 香川
Zone Attack

ランダルTop、ダマDSの配置。
後衛中央がNail寄りのポジショニングになっているのを見たランダルがアリウープパスを飛ばす。
キャッチしたダマのフック成功。

4Q 9:37では意識できていなかった後衛中央のポジショニングを、ここでは見事に認識して的確なパスを供給したランダル。
ほんとに賢い選手だと思う。


4:33 香川
Zone Attack (PnP)

ダマDS待機で、TopからランダルムンホPnP。
ランダルはスクリーンを使って前衛同士の間を割り、Nailに侵入。
後衛中央を引きつけたことでDSのダマがオープンになる。
パスを受けたダマがエンドワン獲得。

3Q 8:20以来の適材適所PnP。
ランダルを前衛がマークしている時点で強制MUM完了のため、さらにスクリーンを使えばそりゃもうって感じ。
3Q 8:20では、Handler木村、Screenerラベネルだったため、Screenerの方で前衛との強制MUMを作っていた。
今回はHandlerランダル、Screenerムンホのため、Handlerの方で前衛との強制MUMを作っていた、という若干の構造の違い。
もちろんどちらも良い構造。
この成功体験を次戦以降に活かしてほしい。


4:18 香川
Zone Attack (PnP)

ダマDS待機で、TopからランダルムンホStep-Up PnP。
Nailに侵入するランダルをもう1人の前衛が正面に入って阻止。
ランダルのドライブは止まるも、Wingの上良がワイドオープン。
キックアウトを受けた上良の3ptは失敗。

DS配置するだけで、ワイドオープンを作りやすくなっている。
ただ、豊田合成のDefも良かった。
Step-Up ScreenをIce + Helpで対応することで、ランダルのドライブを前衛だけで防いだのはなるほどだった。
後衛サイドのクローズアウトのタイミングをもう少し早める、もしくは初期位置をWing寄りにするなどで、キックアウト後のM2M化を容易にする工夫を豊田合成がもう一つ加えれば、香川が二次攻撃で強制MUMに移る判断を取らない限りはこのStep-Upのコンセプトを十分に守れそう。


3:25 香川
Zone Attack (PnP)

ダマDS待機で、TopからランダルムンホStep-Up PnP。
Iceされてスクリーンを使えないと判断したランダルは仕切り直す。
再びムンホのスクリーンを読んでPnPに移り、今度はペイントタッチ成功。
キックアウトとエクストラでムンホの3pt成功。

豊田合成のDefめっちゃ惜しかった。
最初のIceで仕切り直させるところまでは完璧だった。
ただ、仕切り直しのPnPへの対応を間違えたことにより、チャンスメイクを許した。
というのも、仕切り直しのスクリーンはStep-Upではなく、前衛同士のギャップに導くミドル方向のスクリーンで、それにもIceしてしまったのが失敗だった。
おそらく「スクリーンにはIce」というルールが設定されていて、それに従っただけだと思うが、「ランダルムンホを前衛2人で守りきる」という観点では、この方向づけは失敗。
なぜなら、Iceでベースライン側(=もう1人の前衛とは逆側)に方向づけしたことにより、もう1人の前衛がヘルプでランダルを止めることが非常に難しくなってしまうから。
実際にこの場面ではその方向づけの失敗によりペイントタッチを許した。
この小さな判断ミスを減らせると、香川のオフェンスは高い確率で停滞すると思う。
もしGame2の香川が、このIce + Helpコンセプトに対して二次攻撃で強制MUMを淡々と実行していたら驚愕しちゃう。
後半の両者のプレーはGame2に繋がる内容だったから、Game2で互いにどれだけアジャストできるか期待が膨らむ。


2:00 香川
Zone Attack (PnP)

ダマDS待機で、TopからランダルムンホStep-Up PnP。
スクリーンを使ってペイントタッチ成功させたランダルがファール獲得。
すでにボーナス。

今回はIceが甘かったため、ランダルが通常通りスクリーンを使えた。
豊田合成はこれをIceで防ぐことができるか、というのがGame2に向けたキーポイント。


4Q終了
香川 88 - 62 豊田合成

まとめ

【主なセット】
・特になし(ほぼZoneのため)

【良かった】
✅強制MUMの回数増加
▶️意図的か偶発的かはまだ分からない
▶️ムンホDS配置でランダルラベネルのダブル強制MUMというスーパーアイデア
✅トランジション意識
▶️Zoneが整わないうちに仕掛ける
✅PnRでのZone Attackが一部成功
▶️DS配置でTopからのPnP
▶️DSによる後衛中央のロックおよびPopによる強制MUM
▶️Nailに侵入していきたいHandler心理をDSとPopという補助構造で肯定(選手の特性をいじることなく解決するのは選手に優しい)

【課題】
☑️DS落とし→NailからのDive、のZone Attackパターン
▶️Diveへの後衛サイドの反応を見てパス選択する能力がDS役には必須だがダマラベネルでは厳しそう
☑️PnRでのHandler前の位置関係
▶️Zoneの後衛中央のテリトリーに吸い込まれてHandlerの引力が消滅する
▶️DS配置で後衛中央に対してHandler + DSの2on1を作り、Handler後ろの位置関係を再構築することで解決(良かった項目に記述)
☑️ダマのScreener Pop(位置関係の話にも関連)
▶️Popしても前衛とのvs Smallでの武器が少ないため手詰まりになる
▶️Pop Feedを受けてからのパス判断も危うい
▶️DS待機を任されるようになって輝いた(適材適所はこっち)

-試合実況考察