現場活動

EFG%向上に必要な要素とオフェンス構造内の課題の分析

はじめに

筆者がコーチとして携わるチームが参加したミニリーグ戦の振り返りをする。
とりあえずFour Factorsを出す。

EFG%FTA RATETOV%OREB%
Game136.4%17.5%17.8%45.6%
Game239.5%12.7%12.1%44.8%
Game333.5%8.3%12.4%46.4%
Game439.2%19.4%19.2%28.3%
Game555.7%8.2%13.7%50.0%

OREB%の高さも目立つが、今回はEFG%の全体的な低さに着目する。

参考情報として、執筆している1/24時点のNBAとB1リーグのEFG%を見てみる。
NBA30チームのEFG%は、1位がDENの57.5%、30位がINDの51.2%。
B1リーグ26チームのEFG%は、1位が長崎の57.6%、26位が秋田の47.1%。

プロ並みのショット効率を求めるわけではないが、もう少し自分たちも決めていきたい。

ということで分析目標は、EFG%の向上に必要な要素を明らかにすること、とする。
そこから、その要素を実現する上でのオフェンス構造内の課題を整理していく。

EFG%分析

EFG%の指標について簡単に説明する。

EFG%とは、3PTの価値を考慮したシュート成功率で、3PT成功を2PT成功の1.5倍として評価する指標。
以下の計算式で求められる。

EFG%=FGM+0.5×3PMFGA\mathrm{EFG\%} = \frac{\mathrm{FGM} + 0.5 \times \mathrm{3PM}}{\mathrm{FGA}}

EFG%を使えば、FGの得点効率を指標1つで比較できるのが便利。

Step1 : EFG%を眺める

試合ごとのEFG%

Game1からGame5までのEFG%を示した。
Game5は50%を超えて良かったものの、Game1からGame4までは40%以下と軒並み低水準。

ではGame1からGame4までは同じ要因で低水準になり、Game5で一気に改善されたのだろうか。
そこまではこの数字からは読み取れないため、次はEFG%を分解していく。

Step2 : EFG%を分解する

EFG%を2P%と3P%に分解してみる。
EFG%は3P%に1.5倍の重みをつけて簡単にショット効率を見ることのできる指標だが、EFG%が低い現状だとどうしようもないので、一旦2P%と3P%にバラして考える。

試合ごとの2P%
試合ごとの3P%

左が2P%、右が3P%。
並べて見てみると、Game5は2P%も3P%も高いものの、その他4試合は2P%のみ高かったり3P%のみ高かったり、あるいはどちらも低かったりする。
EFG%が近いGame1からGame4でも、そのEFG%の内訳は試合によって全く異なることが分かる。

つまり、
「EFG%が似ている=攻撃内容が似ている」
「EFG%が低い=同じ問題を抱えている」
といった解釈は成立しない。

そのため、以降のEFG%分析では、2P%の問題と3P%の問題をそれぞれ深掘りしていく。

Step3 : 2PT / 3PTをGood%で評価する

Good%とは、筆者独自の指標で、内容が良かったかどうか評価する際に使う。
Good =「十分に決められるショットに到達できたポゼッション」
と定義して、各ポゼッションにGoodまたはBadのラベルをつけることで算出している。

Goodでもショットを決めきれない場合がもちろんあるが、それでもGoodはGoodとしてラベリングする。
ちなみに、内容は悪かったがショットだけ成功した、というケースはややこしくなるのでBadにはせず、Goodとしてラベリングしている。

今回はGood%と2P%および3P%の相関を見てみる。

Good%と2P%の相関
Good%と3P%の相関

左がGood%と2P%の相関、右がGood%と3P%の相関。
2PTも3PTも、Good%が高い試合ほどショット成功率が高くなる傾向があるように見える。

R2(決定係数)で確認してみる。
2P%との相関はR2=0.8999と高く、試合間の2P%の変動はGoodポゼッションの割合によって説明できるところがありそう。
また、3P%との相関もR2=0.7805と、2PTほどではないものの一定の関係が見られる。
このことから、Goodポゼッション(簡単なショット)を作れるかどうかが、2PTにおいても3PTにおいてもショット成功率に影響を与える主要な要因の一つと考えられる。

一方で、3P%についてはR2が2P%ほど高くないことにも注目したい。
3PTに関しては、Goodポゼッションの割合以外にも、何か成功率に影響する要因がありそうと言える。

Step4 : 2PT / 3PTのGood時の決定力を見る

2PTも3PTもGoodポゼッションの割合と、ショット成功率には一定の関係があることを確認した。
ただ、3PTに関してはGoodポゼッションを作るだけではない要素も影響していそうだと考えられた。

そこで、Goodポゼッション時のショット決定力についても検討してみる。

Goodポゼッションを作ることさえできれば、その先のショット成功率はある程度保証されている、と思っていいのか。
あるいは、Goodポゼッションを作れても、ショットを決めきれない可能性があると思った方がいいのか、ということ。

Goodポゼッションでの2PTと3PTのショット成功率を見てみる。
試合によってGood時成功率に大きな変動がなければ、Goodポゼッションを作ればある程度のショット成功率が期待できると解釈できる。
逆に、Good時成功率に大きな変動があれば、Goodポゼッションを作ることと実際に決めきることは別問題ということが示唆される。

試合ごとのGood時2P%
試合ごとのGood時3P%

左がGood時2P%、右がGood時3P%。
グラフの見た目では分かりづらいため、2PTと3PTの標準偏差を比較してみる。

Good時2P%の標準偏差は0.078(±7.8%)で、Good時3P%の標準偏差は0.096(±9.6%)。
3PTの方がわずかに散らばりが大きく、Goodポゼッションを作れていても決定力にはややばらつきが見られる。
Good%と3P%のR2が2P%のそれより小さかった事実は、このあたりの差がもたらしていた可能性がある。

このGood時ショット成功率の標準偏差をショットあたりの得点期待値に換算して考える。
Good時2P%の標準偏差は0.078(±7.8%)であり、これは得点期待値に換算すると±0.16点に相当する。
一方、Good時3P%の標準偏差は0.096(±9.6%)であり、得点期待値では±0.29点のブレとなる。

今回の5試合において、Good時2PTは1試合平均35.8本打っていた。
仮定として、ショット成功率が平均的な試合と標準偏差分だけ下振れした試合を比較すると、Good時2PTだけで約5.7点の得点差が生じる計算になる。
同様に、Good時3PTは1試合平均26.2本放っており、ショット成功率が標準偏差分だけ下振れした場合、Good時3PTだけで約7.6点の得点差が生じる。

これらの数字を出してみて、率直に思ったこと。

「よく分からん」

Good時のショット成功率に安定感があるのかないのか、なんとも言えない振れ幅だったなという印象。
言えることとしては、2PTより3PTの方が成功率のブレ幅はやはり大きいのかもなといったところ。

データ分析上の課題はデータサンプルが少ないこと。
グラフで示した5試合のGood時成功率は平均37.4%で、試合ごとでは25.0%~46.4%の範囲に収まっていた。
これが、データ対象とする試合数が増えても同じような数字になるのか、下振れの幅が広がって20%を切るような地獄の試合も出てくるのか。
ここは現時点では分からない部分。

このように、Goodポゼッションを作ること、に加えてGoodポゼッションで決めきれるかという要素についても検討した。
今回得られたデータは「決定力が高い・低い」とも「安定感がある・ない」とも言えない微妙なラインだったため、明確な方針が新たに生まれるとかは特にない。
とはいえシュート力に関しては、高ければ高いほど、安定していれば安定しているほど好ましいため、シュート力向上には確実に取り組み続ける。

あと、できることとしては、OREB戦略。
Goodポゼッションを増やし、Goodショットを決めきる取り組みをしていくわけだが、それでも決めきれずに取りこぼしてしまう得点は絶対に存在する。
その取りこぼしをOREBで補って、仮にシュートタッチが絶望的でもOREBである程度はなんとかできるゲームモデルを構築することも考えていきたい。
現状、特にプランはないため、何か考えがまとまったらOREBについて書こうと思う。

EFG%分析まとめ

Game1からGame5までのEFG%について考えた。

Step2でEFG%を2P%と3P%に分解してみると、その内訳は試合によって大きく異なっていた。
2PTも3PTも高確率で成功させた試合もあれば低確率に沈んだ試合もあったため、2PTと3PTのどちらかに課題が固定されているわけではないと分かった。

Step3ではGood%を用いて、良いショットを打てていたかどうかを検証した。
その結果、Good%とショット成功率の間には、2PT / 3PTともに正の相関が確認された。
このことから、2PT / 3PTに関わらず、Goodポゼッションを増やすことがショット成功率向上の土台になると考えられた。

Step4ではGood時ショット成功率の試合ごとのブレを確認した。
そこでは、決定力の高低、安定感の有無などを明確に解釈できるほどの結果は得られなかった。
とはいえ、分析結果がどうであれ、平均成功率向上と成功率安定化の取り組みは必要であると認識した。

以上より、Goodポゼッションを増やす取り組みを主軸としつつ、Goodな状況での決定力を安定させる取り組みも今後の施策として重要だと考えられる。

Bad要因分析

EFG%分析により、Good%を向上させることが必要と考えられる結果が得られた。
Good%を高めるためには当然、BadポゼッションをGoodポゼッションに変えていく必要がある。

試合ごとのGood / Bad%

Goodが青、Badがオレンジ。
この図で分かるように、良いショットで終われていないポゼッションは4割以上もある。
しかもこの5試合は4勝1敗で、1試合平均の得失点差は+27.4点。
優位に試合を進めることが多かった5試合でもこれだけのBadポゼッションが眠っている、というのは、このチームにとって大きな伸び代。

ということで、BadポゼッションたちはなぜBadになったのか、その要因をこれから分析していく。

Step1 : Situationごとに分解する

Bad要因分析を始める前に、分析対象データをHalf / SLOB / BLOBとTransitionのSituation別で分けるべきなのか、一括りに分析してよいのか確認する。
※Half / SLOB / BLOBは以下Half等と記載

Good / Bad%をSituationごとに比較する。

試合ごとのHalf等でのGood / Bad%
試合ごとのTransitionでのGood / Bad%

Half等のBad%は4割前後で、TransitionのBad%は3割前後。
Transitionの方がGoodポゼッションをよく作れていることが分かる。
相手ディフェンスが整う前に攻めきるTransitionの方が攻めやすいのは当たり前であるが、その当たり前をデータで再確認できた。
ということはHalf等とTransitionは別々に分析した方が有意義な結果が得られそうである。

ちなみに、TransitionのGood%は高いからBad要因分析しなくていいのでは?という声が聞こえてきそうなので、ここでSituationごとのポゼッション数を比較する。

試合ごとのSituationごとポゼッション数

Half等の方がTransitionよりポゼッション数が多い。
とはいえ、Half等のポゼッション数の方が多くなるのが一般的である中で、試合によってはTransitionのポゼッション数がHalf等と並ぶほど多くなるこのチームは、かなりハイペースなスタイル。
つまり、チームスタイル的にTransitionを武器としてできるかぎり磨きたいため、TransitionももちろんBad要因分析の対象とする。

以上より、Situationごとのプレーの性質の違いを鑑みて、Bad要因分析はSituation別に分けて進めていく。

Step2 : BadポゼッションをPhaseごとに分解する

筆者の考えとして、ポゼッションには3つのPhaseがある。
3つのPhaseとは、チャンスを作る「Create」、ディフェンスの反応に対して判断する「Decision」、ショットを決めきる「Finish」。
Bad要因分析を始めるにあたって、この3つのPhaseのうち、どのPhaseでの失敗が多いのか把握したい。

分析にあたり、各ポゼッションにはGood/Badのラベルをつけている。
中でもBadポゼッションに関しては、さらにどのPhaseでの失敗であるか、およびそのPhaseでのどの失敗パターンに該当するか、までラベリングしている。

ということで、試合ごとのPhase別Bad発生数をSituation別に見ていく。

試合ごとのPhase別Bad発生数(Half等)
試合ごとのPhase別Bad発生数(Transition)

左がHalf等、右がTransition。
それぞれ青がCreate、オレンジがDecision、緑がFinish。
Transitionの方がポゼッション数自体が比較的少なく、さらにBad%も低いため、図の絶対数が少なくなっている。

その前提のもと、Phaseごとの比率を見ていく。

試合ごとのPhase別Bad発生割合(Half等)
試合ごとのPhase別Bad発生割合(Transition)

同じく左がHalf等、右がTransitionで、青Create、オレンジDecision、緑Finish。

Half等を見るとどの試合もCreateとDecisionの割合が大きく、5試合全体ではCreateが43.8%でDecisionが40.1%の割合。
一方、Transitionはどの試合もDecisionが大きく、5試合全体ではDecisionが48.8%を占める。

このことから、Half等ではCreateとDecision、TransitionではDecisionに改善余地があると判断できる。

また、この特徴はHalf等もTransitionも特定の試合のみではなく、試合横断的に確認できた。
そのため、以降の分析では全試合をまとめた構造的な視点で分析を進めていく。

Decision分析の用語紹介

ここからはHalf等でもTransitionでも共通して課題に挙がったDecisionを分析する。
各ポゼッションに対して失敗Phaseとその失敗の詳細について分類しているため、Decisionで具体的にどのような失敗が多かったのか見ていく。

一旦、Decisionでの中分類と小分類を一覧しておく。

チャンス見逃し

PassOpportunity

他にオープンがある状況でパスせず仕掛けに行ったミス

ShotOpportunity

自分のショットが打てる状況で打たずにドライブやパスしたミス

クローズアウト

GoNeeded

クローズアウトやズレにおいてドライブを選択した方がチャンスがある状況でショットを放ったミス

ヘルプ対処

StopNeeded

ドライブがボールマンディフェンスやヘルプで止められた状況で無理に進んだミス

BadShot

他にオープンがある状況でパスせずショットを放ったミス

PassDestination

パスの出し先を誤るミス

3つの中分類のチャンス見逃し、クローズアウト、ヘルプ対処は、Decisionの発生タイミングで分類している。
チャンス見逃しはアクション前のDecision、クローズアウトはアクション中、ヘルプ対処はアクション後という感じ。

ということで、この中分類と小分類をもってDecisionを詳しく見ていく。

Step3 : Decisionの詳細を見る

Decisionの詳細を中分類を用いて見ていく。

SituationごとのDecision Phaseでの失敗要因分類

Half等ではチャンス見逃しが最多で、次にヘルプ対処が多かった。
一方、Transitionではヘルプ対処が圧倒的で、チャンス見逃しとクローズアウトは僅かだった。

この結果を受けて、当該場面の映像を確認してきた。

まず、Half等とTransitionで共通して多く発生したヘルプ対処について。
ヘルプ対処のミスが発生する要因としては、ドライブやドリブルプッシュのスピードを制御できないことが考えられた。
スピードを制御して、状況認知と判断に十分な時間を自分で作り出す習慣を養っていきたい。

次にHalf等で多く発生したチャンス見逃しについて。
要因は、すでにあるチャンスを認識できていないこと。
特にHalfポゼッションでは、オフボールディフェンスのポジショニングが平常時でオーバーヘルプなチームが多かった。
また、自分たちのHalfオフェンスが単調でディフェンスを収縮させやすくしていたパターンもあった。
どちらのパターンであれ、オフェンスがそのヘルプポジションに悪い意味で慣れてしまっており、隣のオープンへのパスが念頭から外れている場面が散見された。
ということで、チャンスのあるところにパスを繋いで仕掛けていく習慣を養っていきたい。

Decision分析はこんな感じ。

Create分析の用語紹介

最後に、Half等で課題に挙がったCreateの分析を行う。
その際に出てくる用語をここで一旦まとめておく。
Createも中分類と小分類の構造で整理した。

ボールキープ

Pivot

ピボットでのボールキープミス

Dribble

ドリブルでのボールキープミス

Pass

無茶なパス・不用意なパスでのミス

スペース

Positioning

初期配置時点でボールマンを妨げるポジショニングによるミス

OffMove

ボールマンが仕掛けている中でのオフボールムーブでボールマンを妨げるミス

Traffic

ボールマンが狭いスペースに自ら進んでしまうミス

クオリティ

PivotDist

ピボットで突破できる間合いでの1on1ミス

DribbleDist

打つにも抜くにも微妙で突破するにはドリブルで詰める必要がある間合いでの1on1ミス

PassAbility

パスを出す・キャッチするスキルの不足によるミス

Screen

スクリーンをかける・使うスキルの不足によるミス

3つの中分類のうち、ボールキープは最低限の個人技術の部分、スペースはポジショニング設計の部分、クオリティは1on1の個人技術の部分。
クオリティに関しては相手ディフェンスとの実力差から相対的に評価される要素と言える。

ということで、この中分類と小分類をもってCreateを詳しく見ていく。

Step4 : Createの詳細を見る

Createの詳細を中分類をもって見ていく。

Create Phaseでの失敗要因分類

クオリティが最多で、ボールキープとスペースが段々と続いている。
ボールキープは選手に頑張ってもらうとして、スペースとクオリティについて考える。

まずクオリティについて。
クオリティ要因のBad30回のうち、小分類で多かったのはDribbleDistの22回。
微妙な間合いでの1on1に苦戦したことが分かる。

DribbleDistの解決策は2通りで、1つは選手の1on1スキル向上。
もう1つは、クリエイトのためのオフェンスアクションの導入。
この時点のチーム状況を説明すると、Halfポゼッションでは4outで1on1かDHOをするコンセプトしかなかった。
そのため、クリエイトにおいて選手が必要以上の負荷を抱えていた事情がある。

次にスペースについて。
スペースはどの小分類であってもオフェンス設計の問題でしかない。
そして直前に説明したように、この時点でのチームオフェンスはほぼ皆無だった。
4outというポジショニングルールはかろうじてあったが、1on1中心のクリエイトに苦労する中でポジショニングがどんどん乱れるのは、選手の責任では全くない。

ということで、クリエイトに使えるアクションを用意することで、このクオリティとスペースの数字がどうなるか観察したい。

ちなみに、執筆時点ではHornsでの3-Men Actionを導入しており、Halfでの仕掛けがスムーズになってきている。

Bad要因分析まとめ

EFG%分析で得られた「Good%を向上させる必要がある」という結果を踏まえ、その阻害要因を探すべく始めたBad要因分析。

Step1では、ポゼッションの質がHalf等とTransitionとで異なることから、Situation別に分析を進める必要性を確認した。

Step2では、BadポゼッションをPhaseごとに分解し、どのPhaseでBadになっていたのか検証した。
その結果、Half等ではCreateとDecision、TransitionではDecisionに改善の余地があることを確認できた。

Step3ではDecisionをさらに中分類と小分類に分解した。
すると、Half等ではチャンス見逃しとヘルプ対処、Transitionではヘルプ対処の場面でのDecisionミスが多いと分かった。
そこで、ヘルプ対処のためにはスピード制御、チャンス見逃しのためにはオーバーヘルプ認識に取り組む必要があると考えた。

Step4ではCreateをさらに中分類と小分類に分解した。
そこでは、クオリティ、ボールキープ、スペースでのミスがおよそ等間隔に発生していたと分かった。
ボールキープはともかく、クオリティとスペースに関してはHalfポゼッションのオフェンス設計が乏しいことによって、プレイヤーが過剰なクリエイト負荷を抱えている可能性が示唆された。
そのため、クリエイトのためのアクション導入が必要と考え、実際に現在はHornsアクションを採用している。

以上より、SituationごとにBadの構造は異なっており、Goodポゼッションを増やすためには、Half等ではCreateとDecision、TransitionではDecisionに焦点を当てた改善施策をそれぞれ実行することが重要だと考えられる。

おわりに

Four Factorsの中のEFG%の低さを取っ掛かりに、オフェンスの課題分析を行なった。

シュートを効率よく決めるにはGoodポゼッションで簡単なシュートを作らないといけない。
そのためには、チャンスを作り、作ったチャンスに対するディフェンスの反応に正しく判断することが求められる。
もちろん、その簡単なシュートを決めきる決定力も必要。

今回の分析は、この「Create→Decision→Finish」という基本構造を、データを通じて改めて整理するプロセスになった。
そして同時に、この構造を成立させるために、現時点のチームに何が不足しているのかも明らかになった。

具体的には、Decisionにおけるオープン認知およびプレー制御の習慣化、そしてHalfのクリエイトアクションが課題として挙げられた。
これらをクリアしていけば、今回の分析結果から見て、このチームのオフェンスは向上していくと考えられる。

今後は、これらの課題を解消するために、どのようなプレー設計を行い、どのような練習によって定着させていくかを検討する段階に移っていく。

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